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2022.07.28 ピープル

進路の神々~あの神が語る、じぶん史とお仕事 No.5 岡本典子

自らを「花生師(はないけし)」と名乗り、多方面で活躍される人気フラワーアーティストの岡本典子さん。

誰もが目にしたことのある多数のテレビCM、雑誌、自らの著書の出版など各メディアで引っ張りだこ。その他にも、展示会やイベント出展、講師とその活躍は多岐に渡ります。

しかし、中高生の頃の夢は全く違っていたそうで…

「学生の頃は、恥ずかしいけど本当はダンサーになりたかったの」

岡本さんがお茶目な笑顔で話し始めると、耳心地良い穏やかな声とそのお話に、会場の10代たちもいつの間にか引き込まれていました。

(イベントプレゼン日:11月28日)

ダンサーを夢見ていた学生時代

「子どもの頃からずっとバレエやダンスをやっていて、ほんとはダンサーになりたかった。舞台の上で踊っていたかったんです」と少し照れた笑顔でお話しされる岡本さん。

ダンサーという夢と同時に英語が好きだった岡本さんは、国際系の高校に進学し高校卒業後の進路にはダンス留学を考えていたと言います。

しかし、その矢先

「高校の卒業旅行で行ったスキーで膝の靭帯を切りました。ダンサーとしては致命的なケガでした。進路のことを考え直さなくてはいけなくなったんです」

ダンサーの夢破れ、しかし母からの言葉がターニングポイントに

これからの進路に悩んでいた岡本さん。お母様にも相談されました。

「好きなことがダンス、英語とかって分かりやすかったから、それ意外の何かで手に職をつけてみたらどう?って母親からアドバイスをもらいました。そこでいきついたのが花、園芸でした。私も単純なので、花おもしろそう!自分が結婚するときは自分で作ったブーケを持ちたい!と夢が広がって(笑)」

短期大学の園芸学部を卒業後、花の勉強をするためイギリスへ留学します。

初めは1年だけのつもりが、花に夢中になって気づけば4年ちかく。

イギリスで当時の最高レベルの国家技能資格をとるまでに。

「私なりに一番頑張ったのは、この留学時代。

好きなことだったから頑張れて、英語も花もますます好きになって。

そして、イギリスに行く前は、日本ダサい!海外かっこいい!と、分かりやすく海外かぶれしてました(笑)」

帰国後は、まさかのバイトからのスタート!?

帰国後、お世話好きなお友だちに連れられ日本のお花屋さん事情を視察(?)すべく、

日本で一番初めに輸入のお花を扱った歴史的なフラワーショップ六本木ゴトウフローリストを訪ねます。「ここで働きたい!」と履歴書を持っていくものの、数ヶ月経っても返事は来ず…ダメだったんだなぁと諦めかけた頃、「箱詰めの短期バイトをしませんか?」と、お店から声がかかったのです。

「え~海外から帰ってきて箱詰め?私かぶれてんのよ~(笑)って、そんな感じだったんですけど、お友だちのアドバイスで、そんなお店の裏方が見られるなんてすごいことだからやってみたら?って言われて。それもそうだなとバイトしてみたら、そのまま採用になったんです」

短期のアルバイトからスタートした岡本さんでしたが、著名人のパーティーやハイブランドショップの生け込み(お花を生けること)や海外での買い付けなどを任されるまでに。

ゴトウフローリストで様々な経験を積んだのち、南青山のアイ・スタイラーズでお店の立ち上げから店主を任されました。

しかし、もっと自分の目が届く範囲のこじんまりとしたお店を持ちたい!と、二子玉川でタイニーエヌというお花屋さんを開き、その後フリーとなり現在のご活躍に至ります。

花を真ん中に、変化するワークスタイル

「フリーって何やってるの?って聞かれたら、簡単に答えるとお花屋さん。

でも店舗を持っていません。今は、撮影のお仕事にお花を持っていったり。

例えば洗剤のCMに映る、草原のようなシーンをスタジオに出現させたり…

お花屋さんじゃなくても、花が仕事になるということに気づいて、他の方がやりたいことを見つけながら職業を変えるように、私は花というのは変わらないけど、店舗を持ったりフリーになったり、勉強しながら働くスタイルはどんどん変化していっています」

10代からの質問「ハマれるものがないんです、アドバイスをください。」

「私はダンスが好き、英語が好き、と好きなことはあったけど、結果選んだものは花。

今思えばその時々で好きなことに無難じゃなく結構やり込んだ、徹底してのめり込めたので、それが今の花にも意味があったと思える人生になってる。

ハマれるものが早く見つかる人と遅く見つかる人どっちでも良くて、

その時のフィーリングで、ハートで感じることを信じてみたらどうかな?

あと、見つからないときはどうしてもやりたくない、って方にいかなければ良いんじゃないかな」

10代中高生へのメッセージ

「自分の力を信じて、できることならポジティブに色んなことを受け止めて。

良い未来が待ってると思いながら、前に進んで行って欲しい!」

お話の内容もそのお人柄も、自然体という言葉がぴったりな岡本さん。

自分の気持ちに素直に行動して、目の前のことに一生懸命に取り組んでいくと、岡本さんのようにいつのシーンにもやるべき道が自然とひらけてゆくのかな、と心のあり方を考えさせられるお話しでした。

岡本典子/オカモトノリコ 

花生師(フラワーアーティスト)テレビCM、雑誌、イベント出展、講師など多岐にわたり活躍中。著書に「花生師 岡本典子の花仕事」「花生活のたね」等。


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